冷血部長のとろ甘な愛情
どういう心境の変化だか知らないけど、私の希望が通ったようだ。とりあえず喜ばしいことだから、余計なことを言わないで了承の返事をして、この場は退散。

そうと決まればやることはたくさんある。二人に頭を下げて、デスクに戻った。まずはメンバーとスケジュールを決めて、それから打ち合わせだ。

来週には役割分担を含めた打ち合わせをしたい。最初の打ち合わせには課長にも参加してもらいたいから、課長の予定もチェックして……あ、部長はどうしたらいいかな。

参加してもらうようお願いした方がいいだろうけど、私にリーダーを任せたのだから参加するつもりはないのかもしれない。

あーでも……こんなことをいつまでも悩んでいたら進むものも進まない。本人の意思をさっさと聞いてこよう。

あまり二人で話をしたくはないけれど。


「平沢部長、すみません。今、ちょっとお話してもいいでしょうか?」

「ん? ああ。俺も話があるからミーティング室に行くか」


ミーティング室?

そこまで込み入った話しでもないし、二人きりになりたくはない。

この男、何をしでかすか分からないし。
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