初雪の恋

 また、ゆっくりと一つ、一つの水槽を見て行く。


 途中で、水槽のトンネルみたいな所に出た。頭の上、足元、左右が、水槽で出来ていて、その中を歩けるようになっていた。


 まるで、自分も水の中にいるような気がした。


 「海斗さん、ココすごい。すごい。」

 手を繋いでいる手をブンブン振り回す。


 海斗さんも、感動しているのか、水槽に魅入っていた。


 水槽のトンネルを抜けると、ちょうど、17時から、イルカのショーがあることを、知らせるアナウンスがあった。


 「紗姫見に行く?」


 「見たい。見たい。」


 2人で、大きなプールの観客席で、色々な芸をするイルカに夢中になった。
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