強がり女の唯一の男
3話
私の手の力が抜けて電話がベッドへと滑り落ちた。
「なんで・・・」
安達君、寝てる。・・・しかも裸で。
彼女が安達君の携帯を拾って持っているんじゃない。 その場に安達君は本当に眠っている。

安達君と付き合って2年近く。
浮気とか全然心配してなかったな・・・と考えた。
同じ会社に勤めているし、お互いに付き合っていることを隠したりしていなかったから公認て感じだった。
会社の飲み会で浮気されるなんて想像もしてなかった。

全然寝ることができずに私は夜が明けるのをただ眺めていた。
今日は土曜日、会社はお休み。
・・・その日、安達君からの電話はこなかった。

私は、寝具を洗濯したり、クローゼットの中を片付けたりと気を紛らわせて過ごした。

前日に眠れなかったせいか、その日はぐっすりと眠ることができた。
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