強がり女の唯一の男
「私だけ幸せでも・・・安達さんが不幸になる結婚じゃ意味ないじゃないかって・・・」
ああ、この人は本当に優しい人だ。
「安達君が貴女を信じてるの気づかない?」
「え? 信じる?」
「たった一度なんでしょ? 関係持ったの」
「はい・・・」
「なのに、貴女が妊娠したのは自分の子だって信じてる」
「!?」
あんなに、他の人にも色目を使ってたと言っていたのに。
本当に自分の子か?と、最低発言をすることだって考えられた。
だけど、すぐに結婚しようと言った安達君は、この人を信じている。
「貴女が傍にいた時間で、きちんと安達君の気持ちは貴女に向いているのよ」
「・・・はい」
涙ぐむ彼女。
< 111 / 159 >

この作品をシェア

pagetop