強がり女の唯一の男
「うん、今日、彼女と話をしたから」
・・・やっぱりか。 しかも、その女から妊娠や結婚の話をされたってことか。
「ふ~ん。 どこまでも計算高い女だな」
「え?」
「お前に、自分とバカ男がデキ婚するって伝えて、二度とお前がバカ男に近づかない様にっていう計算だろ?」
「違うよ! そんなことしなくたって同じ会社なんだから、二人が結婚すること分かるもの」
必死で相手の女を庇う様な小雪の言葉に俺は安堵した。
以前、その女にバカ男とうまくいくアドバイスをしたと言っていた。
あの時点でバカ男への未練は無いと信じていたが、こうやって、バカ男が他の女と結婚すると知っても傷ついていない様子の小雪。
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