強がり女の唯一の男
【おまけ】浮気相手視点
派遣社員として働く私。
派遣仲間の三村佐和ちゃんの配属された課に安達勝さんという人が居た。
時々見かける彼に私は惹かれていた。

初めは声だったのだと思う。
私は佐和ちゃんの課へお昼休みになると顔を出して、佐和ちゃんと一緒に外へ出る。
佐和ちゃんが鍵付きの引き出しから財布を取り出すのを待っている時に聞こえた声。
とても好みだった。
優しくて甘くて・・・その声の主に自然と視線を向けた。
その人は目立つイケメンという訳ではないけれど、とても優しそうで清潔感のある人だった。
それから私はいつも安達さんを目で追った。
話しかける勇気はなくて、毎日少しの時間だけ見かけることができればラッキーなんていう学生時代の様な片想い。
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