強がり女の唯一の男
それでも彼女は諦めずに声をかけ続けてくれた。
いつしか手作りのお菓子をもらうようになって、時々公園のベンチで一緒にサンドイッチを頬張っていた。
彼女の派遣仲間の子も一緒だったけど、その子に好意を持っている主任も一緒に食べるようになってた。その二人が付き合いだして、気づけば俺達は二人。
そして、彼女の手作り弁当を食べるようにまでなった。
いつも笑顔で「安達さん、何が好きですか? 好きなもの教えてください。今度作ってきます」とか「お疲れですか?目の下にクマできてますよ? スタミナ付くもの作ってきますね!」と俺を気遣ってくれる。
いい子だな…と思う。 だけど…俺でなくても彼女はきっと幸せになれる。その思いは消えなかった。
俺は自分を最低な男だと思っていたし、彼女だって俺でなくてもいいのだと本気で思っていたから。
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