恋愛感情を貴方に教えましょう。

剣道部目線

~~有坂弘人目線~~
ドン!!と、何かが勢いよく落ちる音がする。
皆の視線が一斉に音のした方に移る。
隣で早田さんが「キャッ!」と、高い声をだす。
一瞬の戸惑いの後、全速力で音のした方へ向かった。
ーー柳沢さんが倒れていたーー。
後頭部から血が出ている。
机の角に当たったのだ。
「………っ!!」
柳沢さんは今にも死にそうな程顔色が悪い。
「……誰かっ、足の速い人!
顧問の先生と、大野先輩呼んできて!
急いで!!」
大声で叫ぶ。
3人ほど走っていったのがわかる。
「有坂君、血止めをしないと、綾が死んじゃう。早く……っ」
「わかってる!」
でもどうやって血止めをして、どういう応急処置をすればいいのか検討もつかない。
先生や先輩がくる間、ただただ抱きしめているしかなかった。
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