俺様社長と強引で甘々な結婚
大きなあくびを一つ。バシッと着こなしたスーツ姿にはなんて似合わないのだろう。
彼は、ネクタイを緩めると私の後ろまでやってきた。
無視無視。相手にしていたらいつまで経っても終わらない。しかもやる気のないあの人が社長だなんて信じたくもない。
うちの社長、清水春馬。年齢私より三つ上の二十九歳。身長推定百八十超えの長身で、キリッとした奥二重。
鼻筋の通った見た目は完璧のスペックの持ち主。なのに中身は仕事を部下に任せっぱなしの適当社長。
「これ、お前の仕事じゃねえじゃねえかよ」
「秋の特集のページ案をもらったんですけどなんだか納得いかなくて。私が口を出すのは良くないんですけどやっぱりいいものを作りたい気持ちが強くて」
「バーカ。お前一人で頑張ってどうすんだよ。これは明日、担当にお前がアドバイスしてやればいい。お前の仕事はいい商品を仕入れてくること。一人で全部やろうとすんな。後輩を立派に育てんのも大事だろ」
パソコン画面を私の肩越しに覗き込んだ社長は、そう言って私の頭をポンポンと撫でた。
気のない素ぶりをしなくちゃ。とりあえず平然を装い、作りかけのページを閉じた。
彼は、ネクタイを緩めると私の後ろまでやってきた。
無視無視。相手にしていたらいつまで経っても終わらない。しかもやる気のないあの人が社長だなんて信じたくもない。
うちの社長、清水春馬。年齢私より三つ上の二十九歳。身長推定百八十超えの長身で、キリッとした奥二重。
鼻筋の通った見た目は完璧のスペックの持ち主。なのに中身は仕事を部下に任せっぱなしの適当社長。
「これ、お前の仕事じゃねえじゃねえかよ」
「秋の特集のページ案をもらったんですけどなんだか納得いかなくて。私が口を出すのは良くないんですけどやっぱりいいものを作りたい気持ちが強くて」
「バーカ。お前一人で頑張ってどうすんだよ。これは明日、担当にお前がアドバイスしてやればいい。お前の仕事はいい商品を仕入れてくること。一人で全部やろうとすんな。後輩を立派に育てんのも大事だろ」
パソコン画面を私の肩越しに覗き込んだ社長は、そう言って私の頭をポンポンと撫でた。
気のない素ぶりをしなくちゃ。とりあえず平然を装い、作りかけのページを閉じた。