EGOIST
「あぁ、写真を撮っておけばよかったわ。そうしたら貴女にも見てもらえたのに!」
マーシャは肩を落とした。
「またお子さんが来てくれた時に写真を撮ったらどうでしょう」
「また、来てくれるかしら」
「きっと」
エレンの言葉に、マーシャは嬉しそうに笑った。
それから少し話して、エレンはマーシャと別れた。
エレンは足早に病院を出た。
スマートフォンを取り出し、メールアプリを開いて手早く文字を打ち込み送信。
スマートフォンをポケットにしまい、歩き出す。
「…………」
ふと、誰かに付けられている気がした。
エレンは走り出す。
路地に入って相手を巻くことも考えたが、自分1人では追いつかれた際、対応することが出来ないかもしれない。
少なからず、人目のある通りならば派手なことはできないと踏んでの行動だった。
だが、その足は止まる。
流れていく人の中、エレンの前に立ちはだかるように立つ1人の少女。
後ろには少年。
2人とも、黒い髪に青い目でエレンと同い年ほどだろうか。
その面立ちが、誰かと重なる。
エレンはすぐにこの場をどうにかする方法を考える。
だが、思いつかない。
ボディーガードを務めてくれているはずの3人を呼んでも、おそらくこの2人のほうが早い。
マーシャは肩を落とした。
「またお子さんが来てくれた時に写真を撮ったらどうでしょう」
「また、来てくれるかしら」
「きっと」
エレンの言葉に、マーシャは嬉しそうに笑った。
それから少し話して、エレンはマーシャと別れた。
エレンは足早に病院を出た。
スマートフォンを取り出し、メールアプリを開いて手早く文字を打ち込み送信。
スマートフォンをポケットにしまい、歩き出す。
「…………」
ふと、誰かに付けられている気がした。
エレンは走り出す。
路地に入って相手を巻くことも考えたが、自分1人では追いつかれた際、対応することが出来ないかもしれない。
少なからず、人目のある通りならば派手なことはできないと踏んでの行動だった。
だが、その足は止まる。
流れていく人の中、エレンの前に立ちはだかるように立つ1人の少女。
後ろには少年。
2人とも、黒い髪に青い目でエレンと同い年ほどだろうか。
その面立ちが、誰かと重なる。
エレンはすぐにこの場をどうにかする方法を考える。
だが、思いつかない。
ボディーガードを務めてくれているはずの3人を呼んでも、おそらくこの2人のほうが早い。