EGOIST
そんなことをつらつらと考えていたダンテを、金髪の少女が睨みつけた。

「貴方、外からこちらへ干渉させましたね?」
「別に構やしないだろ?第三者の乱入を禁止する、なんてルールはないわけですし。むしろこれってルールなんてもの存在しないでしょ」

少女に対してダンテが答える。
その答えや態度が気に食わなかったのか、少女はさらに顔をゆがめた。

「最初に言った通り、俺は正々堂々ってのが苦手でね。勝つためならどんな手段だって使うのさ。何せ、俺はこの2人より格下だ。格下が格上に勝つためには正攻法じゃダメでしょ。ま、他に方法がなかったわけでもないが、それは正しくないから本当にヤバイ時しか使うきねぇし」

そう言い、ダンテは肩を竦めた。

「………か」
「?」
「正しいって何なんですか!あの人も、貴方も!正攻法を使うことは正しくなくて、騙し討ちみたいなことが正しくて。大切なモノのために正しくあろうとすること?意味わかりません!」

そう、叫ぶように金髪の少女が言った。

そこでようやくダンテは彼らが正しいという言葉に妙に敏感になっていた理由が分かった。
おそらく、エレンと何かしらの会話をし、彼女が自分に課しているルールについて聞いたのだ。
なるほど、まともに世間とのつながりのない彼らには到底理解のできない物だろう。

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