EGOIST

7

エレンはモニタに向けていた視線を一度背後に向ける。
そして少し考えた後フィランダーの背中に向けた。

フィランダーのやせ細った背が震えている。
かと思えば、バンバンと机を両手でたたき出した。
相変わらずエレンからはフィランダーの表情はうかがえないが、それが怒りから来るものであることは明らかだった。

「どうしました?「やられたとするならそれまでの子達だった」のではないのですか?」

そうエレンが尋ねれば、ヒクリと肩が揺れた。
振り返った顔は、想像通りの顔をしていた。

「お前、何をした?」
「何のことです」
「ダンテはあんな子じゃなかった。あの3人だって、まったく本気を出していなかった!なんだあれは!貴様が、貴様が何かをしたんだろう!」

フィランダーが叫ぶようにまくしたてる。
対するエレンは涼しい顔である。

「何のことだか」

そう言い、エレンは肩を竦めた。

「ダンテのことに関してはあれが本来の彼であるし、あの3人については少し話したくらいです。彼らを私に割り当てたのは貴方だ。故意に何かをしようとしたわけではないし、本気ではなかったというのならそれはあくまで彼らの意思でしょう」
「煩い五月蠅いうるさい!」

まるで子供が駄々をこねているようだ。

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