スーパーアイドル拾いました!
 柚奈は海斗を車に乗せ、ショッピングセンターへ向かった。

 こんな田舎でも、数年前に出来たショッピングセンターには、若者に人気のブランドの店もいくつか入っている。


 帽子を被り黒縁メガネを掛けると、海斗だとは、まず分からないだろう……


 ショッピングセンターのマップを見ると、海斗は無駄なく買い物を済ませて行った。

 柚奈は海斗の後ろをなんとなく付いて歩いた。



「柚奈さん。夕食の買い物もして行かないか?」


「う……ん。いいよ、ある物で……」

 柚奈はそれほど財布にお金が入っていない……


「いいから。真も腹減って帰ってくるんだろう?」


「そうだけど……」

 そう言うと、海斗は柚奈の手を引っ張り、一階の食料品売り場へと向った。


 海斗の手に、柚奈の胸がドキドキ音を立てた。


 だけど、これはアイドルの手なのだから当然の事と、何度も自分に言い聞かせた。



「焼き肉にしないか? 真も好きだろ? 俺が払うから、好きな物入れろよ」


「えっ。でも……」


「世話になったお礼だから……」


 かごの中に、ポンポンと食材を入れる海斗を見た柚奈は、最後の晩餐になるんだなぁと少し寂しくなった。


 柚奈が第三のビールに手を伸ばした。


「今夜はこれにしようぜ」

 海斗が本当のビールとワインを入れた。

 それを見た柚奈の目が輝き、海斗がふっと笑った。


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