スーパーアイドル拾いました!
 久しぶりの沢山の食料品に、柚奈は気持ちが浮だっていた。
 
 アパートに車を停めると、丁度、真が自転車から降りるところだった。


「真! 手伝って」


 車に近づいて来た真は、後ろに積まれた荷物を見て驚いていた。


「どうしたんだよ、これ?」

「海斗が、夕飯奢ってくれた」

「やったぁ。今晩何?」

「焼き肉!」

「マジか!」

 真は嬉しそうに、荷物を抱えてアパートの階段を上がって行った。



 真は、海斗の買った荷物のスポーツブランドの袋をじっと見ていた。

 海斗は袋を開け、Tシャツとハーフパンツを真に渡した。


「夕べ借りたから……」

「僕に? いいのか?」


「ああ……」


「これ、めっちゃ、欲しかったんだ!」


「すません……」

 柚奈は丁寧に頭を下げた。


「そんなに、あらたまって言うなよ…」

 海斗は少し悲しそうに、柚奈の頭を軽く叩いた。
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