危険なアイツと同居生活【番外編】
蒼はカンペを作ると張り切っていたが、結局寝始めてしまって。
そんな蒼の前で、あたしはいそいそとテスト勉強をした。
ダークブラウンの髪が机にぺたーっとくっついていて。
その綺麗な瞳は閉じられ、幸せそうに口元を歪めている。
寝ていても綺麗なその顔に、きゅんきゅんしてしまった。
どんな夢を見ているのかな。
あたしが出てくるのかな。
「あっ、碧が寝てる!」
通りすがりの女子たちがひそひそと話すのが聞こえる。
Fが活動休止して半年経つが、蒼はやっぱり人気者だ。
そして、
「そうそう。
碧、某ハウスメーカーに就職するらしいよ」
「えーッ!じゃあ、Fはどうなるの?」
なんて声が聞こえてくる。
Fから離れたものの、やっぱり蒼にはFがつきまとってしまって。
そんな蒼が気の毒だった。