溺愛は突然に…
1.初めての×××
トントン。

沢山の会社が入っている高層ビル。

楓は大学の貼り紙で、バイト募集の貼り紙を見て、早速面接に来た。

「…あの、K大学の学生なんですが、貼り紙を見て、面接に来たんですが」

ドアを開け、こちらに背を向けてる人に話しかけた。

「…?!」

振り返った相手を見て、楓は驚きつつ、頬を染めた。

超絶なイケメン。スレンダーな体型。高身長。今時珍しい黒髪、少し長い前髪をかきあげたその人が、無表情に楓を凝視した。

「…バイト経験は?」
「…ぇ、ありません。初めてです」

「…志望動機は?」
「…学費のためです」

「…何ができる?」
「…何が?…仕事ですか?」

楓の問いに、相手は何も言わない。当然、楓は困惑しつつも答えを絞り出す。

「…パソコンも出来ますし、ぇーっと、コピー機も使えます。高校の時に、秘書検定3級もとりました」

…で、いいのかな?

なんて、思いながら、その返事を待つ楓。

でも、待てよ?面接に来たのに、面接官とかはどこに?

楓の頭の中は、クエッションマークが飛び交う。

その時だった。

奥の部屋のドアが開いた。

…これまたタイプが真逆のイケメンが出てきた。

「…海原(かいばら)、その子は?」

…この人、海原って言うのか、と、変に納得した楓。

「…社長、面接です」
「…社長?!!」

叫んでしまった楓はハッとして、咄嗟に口にてを当てた。
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