新人をナメめてはイケません![番外編あり]
「こうなったら雅に言うね」
そう切り出すと、固く頷いてくれた。
私の経緯を手短に話し終えたあと雅は涙声で「つらかったね。がんばったんだね」って褒めてくれた。
その言葉がとても身に染みて私はたまらず涙と笑顔をこぼした。
それからは何を語ったのだろう。
たぶん全部部長への悪口。
もう忘れてしまいたいのに、未だに消えないこの気持ちには理由があるんだと思う。
無事、自分家に着いた私は、鞄にお守りのように入れてあるウサギを取り出した。
少し色褪せたピンクのウサギは相変わらず安定のバカ面だ。
ねえ、部長。
私、あの言葉まだ信じてていいですか?
部長と最後に別れたあの日。
そっとしっかり抱き締めて『頑張れよ』って言ったの後の言葉を。
『お前のこと誰よりも応援してるから』
だから、ここまで頑張ってこれたんですよ。
部長に電話しようと思えば出来る。でも何度も諦めてた。
迷惑がかかると思ったから。
彼女でも何でもない私と話すことなんて向こうもないはずだから。
でも、声が聞きたくてしょうがないんです。
ぬくもりだって感じたくてしょうがないんです。
そのくらい3年経った今でも好きだから。
部長に溺れすぎてるんだ、私の恋心は。