僕等のネイロ
「今年はお墓参り行ってやらんか」


「嫌だ!!お兄ちゃんは私を呪ってる!!会えない!!その話はもうやめて!!」


「…お母さん、あんたがいつか忘れるまで待つからな」


忘れない。


心に封印したの。


もう、そのことは思い出さない。


「そういえば…あんたら2位やったんやってな。おめでとう」


「ありがとう」


「これから…頑張るんやで」


「うん」


「はい、朝ごはん。待たせてごめんな」


「ううん。私が早いのが悪いんだし」


それ以降、言葉を交わすことはなかった。
< 204 / 272 >

この作品をシェア

pagetop