××したいくらい、好き。

「……あ、」


私、かいとくんが私を好きって言ってくれる気持ちを、真面目に考えてなかった。

全部自分のいいように言い訳してた。

遊びだなんてかいとくんは一言も口にしてなんかいない。


……ちゃんと考えてなかったのは…私じゃない……!!


ぽろぽろと、涙が溢れてきた。
須田さんはそんな私をみて、再び口角を上げる。


「どうして私が、海音の気持ちがわかると思う?」

「……お、幼なじみだから……」

「答えはNOよ。あなた引くほどバカね」

「………」


フッと笑って、須田さんは続けた。


「私が、本気で海音を好きだから」

「……っ」

「だから、恋敵のあなたがそんなんじゃ、やりがいがないじゃない。
海音に本気の私と、あなたに本気の海音と、海音に本気じゃないあなた。
失礼なのは、あなたの方でしょ?」


……悔しいけど、須田さんの言ったとおりだと思った。

私は、下唇を噛んで、下を向いた。



< 135 / 173 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop