好きですか? いいえ・・・。
カツカレーを食べる。





お昼休みも基本的に保健室にいる。でも、お昼ご飯は学食まで買いに行かなきゃいけない。



お母さんはお弁当を持たせてくれるって言ったけど、仕事の準備もあるにもかかわらず、わざわざ作ってもらうのは申し訳ないと思って、遠慮している。



それに私は少し動く必要がある。学食は1階にある。自分で車椅子を漕いで、パンくらい買いに行けなきゃいけない。人を頼ることは悪いことじゃないけど、頼りっぱなしは良くないことだと思う。自分でもできることを見つけて、それを増やしていかなきゃいけない。



財布を持って、車椅子を漕ぎだした。山辺先生が「どこに行くの?」と言って、車椅子の後ろを持ってくれたけど、私は手で制止した。



「先生、私一人で行きます!」



「一人でって……ホ、ホントに大丈夫なの!?」



山辺先生は思わず後退りした。



「止めんでくだせえ、先生。私は行かなきゃならんのです!」



山辺先生は目に涙を溜めて、私の前で手を合わせた。



「お、お気を付けて、どうぞ……。」




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