ヘタレなオレの君への想い。
ナオがパッとオレから手を離す。
「…あ、ほらっ。先生来たよ!」
次の授業の先生が来たのを見て、アズミとユカコが放心したチサを連れて行く。
オレ達も教室へと戻った。
教室に入る前に、一瞬チサに目をやったが視線は合わなかった。
席に着くと、セトがちょっと困った様な笑顔で言った。
「さっきのナオはお姫様を守る騎士って感じだよな?」
ナイトって…。
オレが苦笑いしていると、
「自分のポジション奪われたままでいいの?」
真剣な表情で言ってきた。
オレはただ、力なく笑うしか無かった。
あ~、もう…。
どうしたら良いのか分かんねぇ…。
残りの授業は、全然頭に入らなかった。