後輩なんて本気になりません!


「その人のこと
陽菜先輩も知ってますよ」


・・・・・へっ?
あたしも?知ってる???


足を止めて2人の方を振り返った。


すると龍馬が
「その人の名前は矢口龍馬っていう
超イケメンさんなんですよぉ〜」
と 自分の名前を言って
それも超イケメンだと
意地悪そうな顔をして笑って言った。


「はぁ???
龍馬のこと?」


「そーですよ
極上のいい男って言えば
オレっすよぉ」


「はいはい
好きな言葉が愛ね
はいはい
身長誤魔化す詐欺男ね
話してた時間がもったいないわ
さっ!仕事しよっと」


「もー!!!オレだって
必死なんですっ!
陽菜先輩が沈んだ顔をしてるから
笑わせようと頑張ってんですから」


わざとなの?
あたしのために?


また歩き始めた足を止めた。


「・・・なんだか
ごめん 言いすぎた
ありがとう・・・」


「こら!先輩らしくないですよ
そんなにしんみりしないで下さい
肩でも揉みましょうか?」


うんと言ってないのに
勝手に肩を揉みはじめ
「お客さーん
ガチガチですよぉ〜
かなり凝ってますね」
と 肘で私の肩をグリグリとしてみせた。


「痛い!!!
それじゃ お客が逃げてくわ!
ヤブ医者!」


あたしもふざけて返すと
「先輩は笑顔が1番似合います
いつもそう笑っててください」
と ドキッとするようなことを
平気な顔をして言うのだ。


これも全て
あたしを笑顔にしてくるため
龍馬がいろいろ考えてくれて
やってること
もう一度ありがとね!と
返しておいた。









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