はやく気づけ、バカ。
(...はっ。なにを思っているんだ私。)
なんだか悪いことをしてしまったような気持ちになり、逃げたい気持ちになる。
「それじゃあ、おやすみなさい。」
とイケメンに告げ、ドアをガチャリと開け、サッと部屋の中に入る。
バタン、とドアを閉めたら、すぐに鍵を施錠してーー
(...あれ、わたし、どうしてこんなに今必死、みたいなんだろ。)
(...別に、やましいことなんて何もしてないのに。)
ふと、
施錠をし、ドアにもたれ掛かっている状態の今、冷静に考えて別に悪いことなんて何もしていないじゃないか、ということに気づいた。