はやく気づけ、バカ。
「...なんだか、疲れた...。」
ズズ~...と玄関のドアからずり落ちると、ふと、ポツリとそんな言葉がもれた。
「......、お風呂入ってごはん食べて、寝よ。」
よっこいしょ、とドアの前から立ち上がる。
(今日のご飯はなににしよ...冷蔵庫なに入ってたっけな...)
一瞬頭の中で考えるが、
(...まあなんでもいいか、TKGにしよう今日は。)
なぜだかTKGに行きついた。
お茶碗にご飯を盛り、卵のと少量の醤油をたらす。
ごはんのくぼみに置いた卵をお箸で割るとオレンジ色をした黄身がトロトロ〜っと白米の上に溢れる。
(たっ…食べたい…!)
卵の黄身を割った瞬間、わたしの思考はそれ一色に染め上げられた。
「...やっぱりTKGはおいしいなあ~...。」
ひとりでにそういうと、あれ、と
何かを忘れているような気がした。
(...何だっけ...
...まあいいか。)
そしてもう一度TKGを食べ始めた。