桜振る頃

あたしはカバンの中にペンケースを詰めて、坂下さんと一緒に会議室を出た。


「やっぱり、文化祭実行委員大変そうだね」


私は苦笑いをしてみせた。


「んー、まあそうだけど、どうせ暇だし色んな人と関われそうだからやる価値はあるかなって思った」



「坂下さん、本当にフレンドリーだよね」


「俺、人と話すの好きだからさ!」


少し前を歩いてた坂下さんはあたしの方に振り返って、また、笑った。


「さすがだね坂下さんっ」


「てか思ったんだけど!!」


まん丸の目で私の顔を覗いてきた。


目の前に坂下くんのかっこいい顔があり、驚きと同時に歩いてたあたしの足も止まった。


「え?なに?」


「俺のこと、さっきから坂下さんって呼んでるじゃん?親近感わかないからさ変えよう?」


もう、それだけの為に顔を覗くのは心臓に悪いからやめてほしい…



「でも、急に呼び捨ては…」


あたしが戸惑ってると


「じゃあ 『はる』って呼んでよ」


坂下さんはまた私に笑いかけて言ってきた。


「は…る…?」


「ふふ。いいねっ」


「でも、なんではる?」


男の友達も何人かいるけど、今まであだ名なんかで呼んだことない。


「なんでって、何となくだよ〜!」


そうゆうところ、坂下さんっぽい。


「はる!」


「なにー?」


「はるー!」


「なんだよ、沙羅〜」


訳もなく、何度もはるを呼んでみた。


多分はるが笑うところが見たかったのかもしれない。


他愛のない話をしてるとあっという間に正門まで来てしまった。


「じゃあ、明日から実行委員お互い頑張ろうね!」


「うん!じゃあまた明日」


はるに手を振り、あたしは桜並木道を歩いていった。


高校生活初日とは思えないくらい充実してて、あらためてこの学校に来てよかったなって思った。


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