MAYBE TOMORROW
「うん」

「美味しそうでしょ?」
(実際、わたしも食べたいくらいだよ)

「うん。そうだね」
(ウンウンって、米つきバッタか?)

やっとのことで重たいお盆のケーキをテーブルに置くと、今度は話すことがなくなってしまった。その間、お兄ちゃんは慌ててくわえていた煙草を消すとさも何事もなかったように状況をとりつくろおうと必死になりはじめた。

何かとっても不自然な笑みを浮かべてわたしを見ている。するとなんだかとてもおかしくなってきた。

お兄ちゃんのそのバツの悪そうな悪あがきが。
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