時空を飛び越えました~私の知ってる新撰組ではないようです~


「故意的にってんなら、相手がコイツを探し回ってるだろう。とりあえず、様子を見るしかねーな」


トシさんの言葉に、全員が頷いた。


『あの、ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします』


故意的という部分に恐怖と疑問を覚えながら、頭を下げる。


もうすでに、帰りたい気分だけど。帰れる家が無い。


「とりあえず、全員自己紹介をしてあげなさい。彼女も困るからね」


大らかに笑う近藤さんを見ていると、不安が少し和らいだことに気づいた。近藤セラピーか。


誰かに連れてこられた、と言われても思いつく人物はもちろん居ない。


なら、考えても仕方ないよね。


まったく気にしないといえば嘘になる。


しかし、頭の情報整理が追いついていない。もう少し、その案件は保留でお願いします。


脳内で会議をしていたが、自己紹介をしてくれるらしいので一時中断した。


< 16 / 84 >

この作品をシェア

pagetop