朧咲夜Another【短編・完】



手を引かれて歩く咲桜は、取りあえず――どうしよう。


流夜の言葉は空耳、だよね?


「あの、流夜、くん?」
 

呼びかけると、その足が停まった。
 

それから不機嫌そうな顔で振り返ってきた。


「なんで?」


「……なにが?」
 

むしろこっちがなんで、だよ。


流夜の不機嫌は変わらない。


「なんで宮寺なんかと仲いい」


「……えと、琉奏とは在義父さんを通してなんだけど……」


「……在義さんが黙認してるのか?」


「何を黙認? 友達なところ?」


「………お前が宮寺の偽モノだとか」


「うん、言ってあるよ。彼氏っぽくうちまで送ってくれるとかあったから」


正面の流夜が、唇を噛んだ。


「やめさせろ」

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