先輩、一億円で私と付き合って下さい!
3
母はここの焼き菓子を購入しては、一緒に仕事してる看護師たちに配っていた。
自分も好きだというのもあったが、控室に置いておくと、同僚たちにも好評で、忙しい合間のエネルギー補給や一息にもってこいだと、利用していた。
そんな接点があったとは知らず、とても不思議な縁を感じた。
志摩子は、のんびりとした口調で話をしながら、飲み物の用意をしてくれた。
通されたリビングは、インテリア雑誌に載るようにおしゃれにコーディネートされている。
部屋はシンプルでいて、それが計算されたような纏まり感があった。
ソファーの前のローテーブルに、ミントの葉をちょこんと乗せたアイスティが置かれた。
薦められたので、遠慮なく手にして飲めば、トロピカルな味がした。
またそれをテーブルに置けば、そこには卓上カレンダーが置かれ7月31日の所に赤丸がついてあった。
何の日だろう。
俺がそれを見ていると、志摩子はさりげなく教えてくれた。
「その日はノゾミの誕生日なの」
「7月31日が誕生日なんですか」
俺は確認する。
「天見さんは12月25日よね」
なんでもお見通しだと言わんばかりに、志摩子は笑っていた。
母が教えたのだろうが、一度聞いたら絶対に忘れないだろう。
その日はイエス・キリストの誕生日でもあるのだから。
こんな日に生まれたせいで、クリスマスと誕生日を一緒に祝って、プレゼントも重なるから、子供の頃は損した気分だった。
大きくなるにつれ、どうでもよくなってきたけど、できるなら関係ない日がよかった。
そんな事を言えば、志摩子は笑っていた。
「ノゾミも夏休みは友達に会えないから、祝って貰えなくて面白くないって子供の頃言ってたわ。そんな日に産んでごめんなさいって言ったら、それ以来言わなくなっちゃったけど」
「産む方は大変ですもんね」
母はここの焼き菓子を購入しては、一緒に仕事してる看護師たちに配っていた。
自分も好きだというのもあったが、控室に置いておくと、同僚たちにも好評で、忙しい合間のエネルギー補給や一息にもってこいだと、利用していた。
そんな接点があったとは知らず、とても不思議な縁を感じた。
志摩子は、のんびりとした口調で話をしながら、飲み物の用意をしてくれた。
通されたリビングは、インテリア雑誌に載るようにおしゃれにコーディネートされている。
部屋はシンプルでいて、それが計算されたような纏まり感があった。
ソファーの前のローテーブルに、ミントの葉をちょこんと乗せたアイスティが置かれた。
薦められたので、遠慮なく手にして飲めば、トロピカルな味がした。
またそれをテーブルに置けば、そこには卓上カレンダーが置かれ7月31日の所に赤丸がついてあった。
何の日だろう。
俺がそれを見ていると、志摩子はさりげなく教えてくれた。
「その日はノゾミの誕生日なの」
「7月31日が誕生日なんですか」
俺は確認する。
「天見さんは12月25日よね」
なんでもお見通しだと言わんばかりに、志摩子は笑っていた。
母が教えたのだろうが、一度聞いたら絶対に忘れないだろう。
その日はイエス・キリストの誕生日でもあるのだから。
こんな日に生まれたせいで、クリスマスと誕生日を一緒に祝って、プレゼントも重なるから、子供の頃は損した気分だった。
大きくなるにつれ、どうでもよくなってきたけど、できるなら関係ない日がよかった。
そんな事を言えば、志摩子は笑っていた。
「ノゾミも夏休みは友達に会えないから、祝って貰えなくて面白くないって子供の頃言ってたわ。そんな日に産んでごめんなさいって言ったら、それ以来言わなくなっちゃったけど」
「産む方は大変ですもんね」