先輩、一億円で私と付き合って下さい!
 そんな事が本当にあり得るのだろうか……

 だけど、もしノゾミが俺を助けたいと願ってあのろうそくを使ったとしたら。
 願いが叶う魔法のろうそく。

 それが本当に起こって、それで自分が白血病で死ぬ前に、後悔のない人生を送ろうとして、俺に告白してきた。

 そう考えると全てが当てはまる。

 なっんてこった。
 自分が白血病とわかってたなら、なぜ病院に行かなかったんだ。

「ノゾミ!」

 俺はこの時初めて涙を流して泣き叫んだ。

 なぜもっと、もっとノゾミに優しくできなかったんだ。
 後悔してもしきれない。

 傍で、セイが黙って俺の背中をさすって慰めてくれていた。
 俺はそれに甘んじてノゾミを思って泣き続けた。
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