先輩、一億円で私と付き合って下さい!
3
案内された先は、駅からそんなに離れていない場所にあった。
高層マンションと呼ばれるビルのエントランスに躊躇なくノゾミが入って行く。
俺は委縮して後に続いた。
「セイってもしかして金持ちのボンボンなのか」
俺がそんなことを訊いている間に、ノゾミはスタスタとフロントデスクへ進む。
中はホテルのように、そこには身なりがきっちりとしたコンシェルジュという男性が俺たちを迎え入れた。
物腰は柔らかいが俺たちを見る目が鋭い。
ノゾミが訪れた趣旨を述べれば、手順にそってセイに連絡をつけ、モニターを通じて俺たちの確認を取った。
その後はセキュリティカードを手渡され、そしてエレベーターに向かえと指示を出された。
すでにドアが開いており、それに乗りこんでノゾミが操作部分にセキュリティカードを差し込んでから、階のボタンを押すと、それは作動して上昇する。
ビジターは住居者から許可をされても、勝手に他の階へいけないような仕組みになってるらしい。
不審者がマンションに入るのを防ぐシステムはすごいと感心する反面、もろ金持ちの住まいじゃないかと俺は羨ましいものを感じた。
上昇していく間、俺たちは無言になる。
ノゾミは階を表す部分をひたすら見ていた。
チンと軽やかな音がなり、ドアが開く。
ノゾミはすぐさま降りると、迷わずにその近くにあった玄関先へ足を向けた。
よく見ればドアはすでに開いていて、そこからセイが覗いていた。
セイは面映ゆいように、すぐには笑顔を見せられず、まだ気まずさが残っているようだった。
「お前、すごいとこ住んでんだな」
「ここは仮住まいだから」
「はっ? 仮住まい?」
訳がわからないまま、家の中に案内され、靴を脱いで上がりこめば、俺の住まいとは全くランクが違っていた。
案内された先は、駅からそんなに離れていない場所にあった。
高層マンションと呼ばれるビルのエントランスに躊躇なくノゾミが入って行く。
俺は委縮して後に続いた。
「セイってもしかして金持ちのボンボンなのか」
俺がそんなことを訊いている間に、ノゾミはスタスタとフロントデスクへ進む。
中はホテルのように、そこには身なりがきっちりとしたコンシェルジュという男性が俺たちを迎え入れた。
物腰は柔らかいが俺たちを見る目が鋭い。
ノゾミが訪れた趣旨を述べれば、手順にそってセイに連絡をつけ、モニターを通じて俺たちの確認を取った。
その後はセキュリティカードを手渡され、そしてエレベーターに向かえと指示を出された。
すでにドアが開いており、それに乗りこんでノゾミが操作部分にセキュリティカードを差し込んでから、階のボタンを押すと、それは作動して上昇する。
ビジターは住居者から許可をされても、勝手に他の階へいけないような仕組みになってるらしい。
不審者がマンションに入るのを防ぐシステムはすごいと感心する反面、もろ金持ちの住まいじゃないかと俺は羨ましいものを感じた。
上昇していく間、俺たちは無言になる。
ノゾミは階を表す部分をひたすら見ていた。
チンと軽やかな音がなり、ドアが開く。
ノゾミはすぐさま降りると、迷わずにその近くにあった玄関先へ足を向けた。
よく見ればドアはすでに開いていて、そこからセイが覗いていた。
セイは面映ゆいように、すぐには笑顔を見せられず、まだ気まずさが残っているようだった。
「お前、すごいとこ住んでんだな」
「ここは仮住まいだから」
「はっ? 仮住まい?」
訳がわからないまま、家の中に案内され、靴を脱いで上がりこめば、俺の住まいとは全くランクが違っていた。