名前のないStory
「花崎愛莉。よろしく」

「西元里奈(ニシモトリナ)です。よろしくお願いします」

「…多分タメだと思うから敬語いらないんだけどなー 笑」

「えぇ!?…17才くらいだと思った!!」

「よく言われるー」



制服みたいに服を着合せて、笑顔が可愛い子。
席もお隣りさんだったのね。



「凄いねー、あの子」



二人でアドレスを聞いて回る春奈をみて呟いた。



「だよねー、私もビックリしたよ」



あ、同中じゃないんだ。
親しそうだからてっきり同じ中学出身なんだと思ってた



ガラガラ



「はい、席についてー」



担任の先生であろう男の人が教卓に立った
あたしの席は中央の列の後から二番目

先生の話に耳を傾けつつ、ザッと教室を見回した
約30近い机があって、いくつか空席がある
少なくとも今、教室に居る子達だけでも三分の二は女の子

ま、何かとやり易そうかな??

…クラス内恋愛は期待できないかも 笑



"夜間定時制"と聞いたらきっと、ヤンキーなんかの溜り場を想像すると思う

あたしもそうだったし

話に聞いた所、あたしが入学したこの鴨高等学校定時制はここ数年、そうゆう所には厳しいらしい

補導経験がある子とかは即アウトだとか

入試の時にみた、やんちゃしてそうな子達はいない



「…詩歩ちゃん。今ケータイ終ってねー」

「へーい」

「詩歩、注意されてるし!!」

「うけるー」



スーツを着てばっちりきめた男女三人を覗いて

女の子二人は頭も盛って同じ年にはみえない
ごめんね、田舎の子だからガン見しちゃった


でも内心、あんな風になれるの羨ましいなんて思ったりして



「じゃ、これから式会場に行きますか」



入学式や式事って全部が全部、体育館的な所でやるイメージだったから何処に行くのかと思えば、フツーの会議室…。

担任の先生の話だと、後日ある他学年との対面式とやらも此所でやるらしい。

入学式の流れは至って普通。
入学者の名前が呼ばれ、校長先生や入学者代表の挨拶があって。
生徒会長の挨拶は、なにかがおかしい。



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