名前のないStory
中学校がそこそこ厳しい学校だったから、式のユルユルしたカンジにあたしは笑いそうでたまんなかった。


そんなこんなで気がついたら式が終ってて、式にかかった時間はたった30分。
……凄いね定時制。



「じゃ、これからクラス写真とるぞー」

「え!?」



クラス写真なんか聞いてない…!!



「化粧直し行きたいヤツいるかー」

「……」

「……」

「おし、居ないな。あとこれが二年もしたらこーもやってられんくなるぞ 笑」



…先生。二年経たなくてもやってられないです。
こんな顔見知りもいない中、言えないって…!!泣

半分、スーツの二人組にかけてたけど無理ね…。

他、化粧してる子見当たらなかったし、はぁ。



玄関前にイスが並べてあってなんだろう??って思ってはいたんだけど、写真撮るためだったのね。



「写真撮るなら前もって言ってて欲しいよねー…」

「ねー…」



あたしは入試の時にナンパした(笑)可愛い子、紅葉ちゃんの隣りに何気なくならんだ。

……相変わらず背が高くて羨ましい。
160過ぎって言ってたかな。150無いあたしには本当羨ましい…。

色々あったらしくわざわざ市外からこの定時制を選んだ紅葉ちゃん。
入試の時にあたしの後で、お互い一人だったからあたしから話し掛けた記憶があるよ。



「まぶしー…」

「…何回撮れば気がすむんかな」



カメラの調子が悪いらしく、かれこれ4、5枚は撮ったんじゃないかな…。



―カシャ



「はい!OKでーす!!おつかれさまー」

「まだ、帰るなよー。教室上がれー」



担任の先生もとい平塚先生の声の元、みんなゾロゾロと教室へ戻っていく。



約30人。
あたしのクラスの人数で鴨高等学校定時制、一学年の人数。


これから主に4年、どんな風になって行くのかなぁ…。


校庭にある桜を眺めながらそんな事を考えた。
できるなら最後まで見届けれる一人でありたい、なんて…思ったり思わなかったり。



桜咲く晴天の空の下。
あたしの高校生活が始まった。




080917 Rituka.

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