6人目
「ふぅ…」

狂史郎は溜息をつく。

「その無闇に出歩けねぇ監視付きの化け物が、何故俺を助ける」

「…私は並行世界を渡れる力を持っていますから…その調息使いに、頼まれ事をされてきたんです」

そう言って。

セシルは1冊のノートを取り出した。

随分と薄汚れ、所々破れているノート。

汚れは土や手垢、それにこれは…乾いた血だろうか。

「調息使いのように、滅びの5人…いえ、6人と戦う者に、この手記を託すようにと言われてきました。貴方になら、これを託せると思います」

「……」

狂史郎は黙ってノートを受け取り、ページを開く。

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