S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


三年ぶりに再会した幼なじみの椿は全てに磨きがかかっている完璧な王子。


その椿が、こんな風に文句を浴びせてくるんだもん。


椿に言ったらもっと不機嫌になるかもしれないけど、胸がくすぐったくなる。



「出来ることなら可愛い妻を誰にも見せたくないってこと、わかってんの?」



油断をすれば、すぐに反撃されてしまうらしい……。



「戸澤くんとはなんでもなくて……本当にただのクラスメイトなんだよ?」


「戸澤くん戸澤くんって───」



まるで痺れを切らしたかのような椿の手が、私の手首を掴み、グイッと強く引き寄せた。



「これ以上、妬かせないでくんない?」



ドキッ……。


まさかの不意打ち発言に、私の鼓動はたちまち暴れだした。

< 113 / 358 >

この作品をシェア

pagetop