S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「椿様。口出しをして申し訳ありませんが、立食パーティー出席へのお支度もありますので、そろそろランチに手をつけられてはいかがでしょうか?」
黒崎さんの出してくれた助け舟に救われた。
椿は私から離れると、身体を向き直す。
王子様はパーティと名のつくものへ出席しなきゃいけないんだな。
「じゃあ始めるか」
なんとかマナーレッスンへと移れそうかな?
前回同様、メイドさん達が次々とお料理を運んでくれる。
やばい……見てるだけでよだれが出そうなくらい美味しそう。
「カトラリーは必ず端から使うこと。スープは内側からすくって、音をたてないのは基本だ」
「音をたてないって、これがなかなか難しいんだよね……」
紅茶の時もそうだったもん。
「器用に使えてるじゃん。お前は子供の頃から頑張り屋だからすぐ慣れるよ。俺のお墨付きだ」
モチベーションアップさせる言葉までしっかり添えてくる椿。
嬉しくなっちゃう……。
椿からカトラリーの使い方も一通り教わって、なんとか実践出来た。