S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
蒼ノ月様を見やる椿はフッと鼻で笑った。
「……ちょっ、!?」
そして、私の腰に手を回すと、強引に自分の身体へと引き寄せた。
「ベタ惚れすぎて自分でも困ってるよ?」
「……!?」
頭上から降ってくる椿の声に、自分でもわけがわからないくらい鼓動が速くなる。
椿の胸に顔を押し付けれたままの私は、この心臓の音が椿にも聞こえるんじゃないかって心配になって、
「そういうこといきなり言わないでよ……っ」
当然、蒼ノ月様もこちらを見て驚いているわけで。
「なるほど……。これは星ノ宮からの宣戦布告、というわけか?」
犬井さんに盆栽を受け取らせると、なぜだか妙に納得したかのように頷いた。
「なに言ってんの?争うまでもないだろ」
呆れたとばかりに深く息をつく椿。
けど次の瞬間、蒼ノ月様の放つ空気が変わった気がした。