S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


「えっと、私は……」


言いかけてハッとする。

ちょっと待った……。


私はお豆腐屋の出身でございます……なんて言ってしまっていいのだろうか。



「私は……お、と……おと……」


「おと?オトナシ建設とか?CMで見るよ」



身分を偽りたいところではあったけど、嘘はよくない。



「私の家は、お豆腐屋さんをやってます!」



張り切って言った結果………


クラスのセレブの方々が秒で凍りついた。


近くにいたお嬢様は目眩を起こすほど。



「……誰か!医療班を!!」



いやいやいやいや。


いつからお豆腐は人を倒すパワーワードになったのよ……。

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