S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。
「俺も。もう二度後悔すんのはごめんだな」
「え?戸澤くんは───」
なにを後悔してるの?と聞いてしまいそうになったその時、
「まぁ!ご帰国されたんですって!?」
クラスのお嬢様達がなにやら興奮気味に廊下へと出ていく。
「な、なんの騒ぎかな?」
椿や蒼ノ月様がご登場したばりの歓声が廊下では溢れていた。
「おいおい。今は俺に集中しろ」
ペシッと丸めたテキストで頭を叩かれた。
「はいぃ!ごめんなさい!」
「ぷっ。素直か」
「続きをお願いします!!」
今はこっちに集中しなきゃ、と気を取り直して問題を出してもらおうとしたのだけれど。
「きゃあああああああ!!ご機嫌麗しゅう!!撫子(なでしこ)様!!」
なんの騒ぎ……?
「ご帰国されていらしたのね!?我が青薔薇学園のローズクイーン様が!」
え……?