S級イケメン王子に、甘々に溺愛されています。


「────ってわけで、私を推薦してもらったの……」



私の話しを聞き終えた火神さんは、喉の奥が見えるくらい口を開いて驚いていた。



「つまり、最強の敵であるラスボスと契約を結んだってわけね……」


「うん……」


「あぁっ。本気で明里のことが心配になってきた……総合評価の通知をもらうまで三ヶ月もないってのに」


「さ、さ、三ヶ月………?」


「そう。7月に行われる青薔薇の祭典ってのがあってさ。その前日にオールSS評価を得たものが発表される。そして称号が与えられる輝かしいセレモニーを祭典でやるってわけよ」


「な、なんと………」



たったの三ヶ月でローズクイーンになれと?



「一年に一度しかチャンスがないのよね」


「一度だけ……」



もし今年、ダメだったら。


今回は達成出来なかったけど来年は必ずやり遂げますので出世払いはどうでしょう?なんて、そんなのラスボスに通用するはずがない……。



ラスボスめ……。

わかってて条件を出してきたんだ……。

私には絶対にムリだってわかってて……!



「と、とにかくこの後の授業でカリキュラムの説明があるから明里もよく聞いててね!」


「わ、わかった……!!」

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