ワケありルームシェア
昼休みが終わり、緋山君と教室に戻る。
廊下には誰もいない。
みんな教室とか屋上で食べるから。
「緋山君、眞白先輩止められなくてごめんね。」
「いや、さっきのは僕の失敗だから。助けてもらったね。」
「私もなるべく気をつけるね。」
「お互いに、ね。」
「うん。………あ!」
「どうしたの?」
「すごく大きい入道雲!」
「あ、本当だ。」
外にはすごく大きな入道雲。
あの中に、学校全部が埋まっちゃいそうなくらい大きい。

「雨、降るかもね。」
「そっか。今日は部活後のバイトないから、急いで買い物だけしていこっかな。」
「それって、夕飯とか?」
「うん。」
「じゃあ、僕も。」
「えっ!いいよ、雨降ってたら風邪ひいちゃうよ。」
「哀川さんも同じでしょ。」
「うっ、まぁ。」

“いいから”と言われ、買い物は緋山君も同伴に。
きっと緋山君の事だから、住まわしてもらってるから、とか思ってるのかな?
もう緋山君の家でもあるのにな……。

「あっ!」
「今度は何。」
「えっ、あ、何でもないよ。」
「ふぅん。」
買い物で緋山君の好きな食べ物とか聞いてみようかな。
そして、ケーキを買って帰ろう。
緋山君が喜んでくれると嬉しいな。
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