ワケありルームシェア
外へ出ると、先程よりも雨の音は強くなっている。
「本当に、ついてくるんですか?」
「女の子を雨の中送り出すなんて俺にはできないね。」
「え、あ、ありがとうございます?」
「いいえ。」
「部長、私たち女はなんなんですか?」
「君たちも立派な守護対象だ。」
カバンに手を伸ばす。
折りたたみ傘は持ってきていたはず。

「あ………。」
「うわぁ。」
「………最悪。」
男性陣から声が漏れる。

「え、まさか………。」
「傘忘れた人たちですか。」
男性陣みんな、傘を忘れてしまったらしい。
まぁ、天気予報では雨なんて言ってなかったもんね。
「何も出来ないな。」


「哀川さん、入れて。」
「あっ、うん。」
緋山君が傘の中に入ってくる。
緋山君、背が高いから、腕が……疲れる。
「完璧持つ方違いますね。」
「哀川さん、僕持つから離していいよ。」
と、言われ離す。
あ、凄い傘が上のほうに行った。

「みっちゃんとの身長差凄いね。あ、ぶちょーは副ぶちょーに入れてもらったらどうですかぁ?」
「月宮、入れてくれ。」
「仕方ありませんね。」
「莎駆!僕も入れて。」
「うん。」

これで一応みんな傘に入った。
「やっと、行ける。」
「うん、長かったね。」



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