無気力王子とじれ甘同居。



「あーははははっ、お腹痛いお腹痛い」


「…もう、あいちゃん笑いすぎ」


お昼休み、私とあいちゃんは例の話を誰にも聞かれまいと、体育館の裏の芝生で弁当を食べる。


朝の話の続きをし終えてからも、あいちゃんは、今までずっと笑ってる。



「いやだってさ、すっごい怖い顔しながらなに言い出すんだろうと思ったら…『私のこと
好きかもって』!!!アハハハハッ」



「自意識過剰だってことはわかってるよ!だけど…」


私は胸ポケットをチラッと見る。



「…ちょ、違うよ!違う!そんなこと思って笑ってるんじゃないよ!」


あいちゃんは、持ってたお箸をおいてから慌ててそういう。



「…へ?」



「…みーーんな知ってるよ?大貴くんが、祐実のこと好きなの」



「はひ?」


「今までずっと知らなかったのは祐実だけ。だから、この子まじでちょっとおバカなんだって笑ったの」


「おいあいちゃん、おバカ言うなかれ」


「だってさ〜、大貴くんのあの溺愛っぷり異常じゃ〜ん」



「…ってことは、あいちゃん、ずっと大貴の気持ちわかってて、気づいてないふりしてたの?」


「え、そうだよ?祐実が自分で気づかないと意味ないし。『私のこと…好きかも』って。あはははっ!あの時の祐実の顔ったら最高だったね!」


「…ひどすぎる」



友がこんなに悩んで話したと言うのに、笑い飛ばすとは何事じゃ。

それも大貴の気持ち知ってたなんて言い出すし。



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