無気力王子とじれ甘同居。
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「…んー」
「なーんかすっごい難しい顔してるじゃん」
朝、松下くんに返してもらったブレスレットを見つめてると、あいちゃんから声をかけられて、私は慌ててブラウスのポケットにそれを入れた。
「…わ、あいちゃん。おはよう」
「おはよ。なーに見てんの?」
「…あ、いや、その…」
あいちゃんに全部を相談したくて一応持ってきたけど、あいちゃんを目の前にするとなんだか話すのを躊躇してしまう。
だって、確実に私が悪いのはわかってることだし。
「あのね…あいちゃん」
私はあいちゃんに「耳貸して」と言ってから、向けられたあいちゃんの耳に手と口を近づける。
「…大貴の好きな人って…私かも」