無気力王子とじれ甘同居。


………


………


来ない…。

来ない…。


リビングにある掛け時計に目をやると、夜の9時過ぎ。


私はラップしてテーブルに置いてある夕飯を見つめる。


今日の夕飯は肉じゃが。


なんで帰って来ないんだろう…。



帰ってくるはずの松下くんが帰って来ない。


部屋の私物は残ってるし、出ていったわけではなさそう。


私なんか怒らせるようなこと言ったかな?

いや、違う。


怒るのはむしろ私の方だし、ムカついてるのも私の方だ。


松下くんが帰りたくなくなる意味がわかんないし…。


私はお風呂から出て、ソファでテレビを見ながら松下くんを待つ。



私の作るご飯がまずいとか?


あ!だから、友達に食べさせないように『ダメ』なんて言って我慢して食べたとか?


でも、ハンバーグ『好き』だっていってくれたし…。



それとも…。


事件とか事故とかに巻き込まれてたり…。


もしそうならどうしよう!!



─────ガチャ



心配になってあれこれ考えていると、玄関のドアが開く音がした。



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