無気力王子とじれ甘同居。


松下くんは、フライパンで焼かれたばかりのぶたの生姜焼きを見て、嬉しそうにした。



「うん。まぁ、夜は勉強もしなきゃいけないからね」


「はっ!!」


っ?


松下くんは私の後頭部に後ろから変な声をかけると同時に私の腰に巻き付いていた手を解放した。



「急にどうしたの…?」


私は、後ろを振り返ってから松下くんにそう聞く。


「…勉強」


松下くんは私の顔を見ると途端に顔色を悪くしてそう呟いた。



「そうだよ。松下くんが朝私にお願いしたんじゃない」


「……」


「ん?」


「すっかり忘れてた」


へ?!
松下くんのセリフに驚きつつも、でもなんだか松下くんらしいなと思った。


「全く…。だから、早くご飯食べちゃってお風呂も入って、さっさと勉強しちゃお」



「……う、うん」



松下くんはなんだか元気のない声で、そう返事をした。



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