君を、ずっと。【完】



「へえ。じゃあお前は俺を助けてくれたわけね」

「えっあ―…別に助けたとかじゃ」


「お前さ、本当なんなの」


目線が外れたと思えば、また合うその視線。

ゆっくり、ゆっくりと近づいてくる神山に私はただ動くことができなくて


「いきなり現れたと思って離れればまた会って。運命って残酷だよな本当」

「かみ―…」


「お前は俺の気持ち、なんも知らねえくせに」



寂しそうで、苦しそうなその声は



私なんかが抱えているものよりももっと深いなにかを―…

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