雨宿り 晴れ気分
ページをめくったところで、賑やかな一団が待合室に入ってくる。

視界のすみに見えたのは、うちの学校の制服を着た男子が3人。

見たことのある、同じクラスのバスケ部員の男子も混じってる。

「冷てぇ〜」

「なんでお前ら傘持ってねぇんだよ」

「知るかっ! お前だって持ってなかっただろーが」

はしゃぐように言いながら、濡れた髪をタオルで拭いていた。

傘は用意してないのに、タオルは用意してるのか?

不思議だ。不思議すぎるんだけど、その意味不明さ。

それにしても、何故、あんたたちがこんな時間にこんなところにいる?

今日は図書委員会があって、遅くなったのは確かだけど、部活はどうしたんだろう?

思った瞬間に、いろいろと理解した。


うん。彼らはバスケ部員。運動部ならタオルは必須かもしれない。

かつ、今日は確か、顧問の先生でうちの担任が用事があるとか言っていた。

でも、部活動には別の先生がついていたはず。

ついでに、HRが終わった途端に、バスケ部員が『やったー』とか言っていたのを思い出したよ。


……サボりやがりましたね。

うんうん。いいんだ。あとでバレて怒られるのは私じゃないし。

とりあえすば、明日、ざまぁ!とか思わないでおいてあげようじゃないか。

どうせ、接点なんてないんだし。関係ないない。

そう思っていたのに。


「おお。孤独少女」

そう言って目の前のベンチに座ったのは、同じクラスの宮野だった。
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