涙が落ちたあの日から
*想いの速度
【今日のワン・ニャンコー! 今日は〇〇県にお住まいの、ワンちゃん猫ちゃんでーす!】
いつもより遅めのテレビ番組。
かなり好きな番組のコーナーだけど、姉からの電話で渋々テレビのボリュームを下げた。
『今日はなんだか余裕ある感じねー』
「うん、今朝はバイト休みなんだ」
『だからかー、いつもバタバタしてるもんねー』
毎朝の姉との電話。
すっかり風邪も良くなったけど、心配させるといけないから、姉には黙っていた。
良くなったとはいえ、用心してもう1日バイトはお休みをもらっていた。
のんびりとテレビを見ながら、コンビニのパンをかじる。
『るいさー、その男の子のこと好きなの?』
ぐほっ。
姉の突然の言葉に、頬張ったパンを吹き出した。