涙が落ちたあの日から
2nd week
*Sensitive Moon
その後も『るいの涙』のジンクスを信じ、バイト先におもしろ半分で来る人も多く居た。
拓真グループの奴らは嫌がらせのように、私を監視するように、いつでもどこにいても姿を見せる。
それが私の気を張らせ、心に余裕を無くさせた。
病は気から……というやつだろうか、その日はバイトの時から体がダルかった。
バイトの忙しさで疲れているのもあるけど、気持ちも滅入っていたんだと思う。
午後からの学校が終わり、駅に着いた時はもう19時を回っていた。
陽が暮れるのが早くなり、涼しいと感じるようになった秋の風が、いつもより肌寒く感じた。
少し厚手のカーディガンを羽織り、家へ向かう足もとても重く感じていた。
「はぁ……ヤバイなこれ……」
幸いにも、明日はバイトを休みにしていた。
今日頑張れば、明日は一日家で過ごせる。
体のダルさもあり、早く帰りたいという思いから、人々の多い街中を避け、近道をしてしまっていた。